こんな時代だから、変わらないものに惹かれる

変わらないものに何を見る

仕事の合間、ふと中目黒駅前の山手通りに目をやると、
実にさまざまなオートバイが行き交っている。

都会の幹線道路ともあって圧倒的にビックスクーターが多いのだが、
時折z1やCBなどの70年代の日本の名車やハーレダビットソンも混じることもあって、
つい、ボーっと眺めてしまう。

いつの頃からか時代は旧車ブーム。
さすがに通勤の時間帯では少ないが、70年代以前の外車勢も随分と見かけるようになった。

ハーレーダビットソンに関していうなら、
シャベルヘッドをはじめ、パンやナックルにサイドバルブまで、
この光景を目にしたら、本国アメリカのマニア達もきっと驚くだろう。

おそらく国土の大きさからすれば、その保有台数の割合は相当なものになるに違いない。
しかしなぜ、ビンテージモーターサイクルに乗る方がこんなに増えてきたのだろうか。

少し前になるが、
”変わらなきゃ...”なんてコピーをよく耳にした。
”変化についていけない者や、変化を受け入れられない者はこれからの社会は生きていけない...”
そんなことが言われ続け、どれくらいの時が過ぎただろう。

なんでも先取りが得をする今日。
おいしいビジネスをしたい人はいち早くお宝情報を入手することや、先見の目を養おうとやっきになる。
事実、ビジネスは先取りで儲け、顧客も先取りしたことに満足する。

こんな風潮の中にいると、
”いつまでも変わらない...”ものに惹かれ、
そのものが造られた時代を懐かしむようなことはないだろうか。

私自身の深層心理を掘り下げていくと、
こんな思いを抱きながらビンテージモーターサイクルに接してきたことに気づく。

ふと、ビンテージモーターサイクルが造られた時代に思いを馳せてみる。
時は1940年代。
当時の工場なら自然採光とハダカ電球だろうか。
曇り空なら少し薄暗かっただろう工場には、巨大な工作機械を巧みに操るオーバーオール姿の職人たち。
そんな光景が目に浮かぶ。

古き良きものに魅了され、知るはずもないその時代にノスタルジィにも似た想いを感じる。
家具や衣服、ジュエリーなど、
ものは違っても、こんな想いで古いものに目を向ける方が少なくないのではなかろうか。


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